「ああ、おかあさんが家にいて下すったら! あなたは一週間以上も、ハンメル家へいったんだものきっとうつったわ。ハンナをよんで来るわ。ハンナは病気のことなんでも知っているから。」
「エミイを来させないでね、エミイはまだかからない[#「かからない」は底本では「かかない」]から、うつると大へんだわ。あなたとメグねえさんは、もううつらないでしょうか?」
「だいじょうぶと思うわ。うつったってかまわないわ。あなたばかりいかせて、くだらないもの書いていて、じぶん勝手のむくいだわ。」
ジョウは、そうつぶやいて、ハンナのところへ相談にいきました。ハンナはよく知っていて、手あてさえよければ死ぬものではないといったので、ジョウはほっとし、今度は、二人でメグをよびにいきました。
ハンナは、ベスの容態を見たり、いろいろ尋ねてからいいました。
「では、バンクス先生に診察していただいて手当をするんです。エミイさんはうつるといけないからしばらくマーチおばさんのところであずかっていただきましょう。それから、どなたか一人のこってベスさんのお相手になってあげて下さいませ。」
のこるのは、ジョウにきまりましたが、エミイは、どうしてもいかないといい、いくくらいなら、しょうこう[#「しょうこう」は底本では「しょうこの」]熱にかかったほうがいいと、だだをこねはじめました。