秋になったら新いくら!
新米の季節です。炊きあげたばかりのホカホカのご飯によく合う新いくらの作り方をご紹介します。鮭の産卵シーズンである秋口しか食べることのできない格別の美味です。料理店でも食べることはできますが、出来たての美味しさは実は家庭でしか味わえません。勇気を出して一度つくってみてください。
スーパーや魚屋から生のすじこを買ってきます。醤油漬け用という名前で売られていることが多いようです。パックにはうま味調味料などで味を整えた醤油タレが入っていますが、今日は使いません。パックを製造しているメーカーさん、申し訳ない!
いくらをほぐすのにはいくつかの方法があります。目の荒いザルに押し付けるやり方もありますが、一番早く簡単な方法をご紹介します。
まずはボウルに指を入れて熱いと感じられる温度の湯を張ります。55度から60度くらいがベストです。今日は蛇口の湯を使いましたが、温度は58度でした。
すじこを投入します。この段階で水温は45度前後になります。箸を何本か持って
ボウルのなかで箸をぐるぐる回し、ほぐしていきます。つぶが潰れたりはしないので安心してください。しばらくして箸を引き上げると……。
こんな風に筋がついてきます。筋は捨ててください。こうしてできたほぐされたいくらの水気を切ります。
血合いなどが残っていますので、除去します。手でつまんでもいいですが、キッチンペーパーを使うと便利です。キッチンペーパーに筋や血合いはくっついてくるので楽です。
通常は醤油漬けで食べることが多いいくらですが、おすすめは塩。素材の味が生きます。分量は水600ccに対して塩50gを使います。
さきほどの分量でつくった塩水にいくらを投入します。
塩水につけると比重が軽い皮やさきほど取りきれなかった血合いや筋などが浮いてくるので、網杓子ですくいとります。
漬け込む時間は30分。長く漬けると皮がどんどん硬くなります。時間になったらざるに開けます。
浅漬のいくらです。味が足りなければ醤油をちろりとかけましょう。醤油漬けにする場合も、鮭で割った醤油につけるのではなく、さらっとかける程度に留めるのが美味しさのポイント。ぷちぷちとしたいくらが弾けると、口のなかでなめらかな黄身の味が広がります。出来立ての味はお店では食べられません。新米とあわせてぜひ、旬の味をご賞味ください。